Ⅰ 古物営業(古物商)とは
古物を買い取って売買や交換をするには、古物営業(古物商)の許可が必要です(古物営業法3条1項)。
従って、自分のものをメルカリなどに出品したり、相手方から手数料等を取って回収したものを売る場合には、理論上、ただちに古物営業の許可は要りません。
他方、古物営業法2条1項は「使用されない物品(=新品)で使用のために取引されたもの」は「古物」にあたると規定しています。
たとえ「新品」であっても、一度流通に乗り取引された物は「古物」にあたり、当該「新品」を買い取って売買や交換をするには、古物営業の許可が必要となります。
古物営業の業態には、古本、CD、DVD販売、中古車売買(部品販売含む)、中古バイク売買(部品販売含む)、中古ブランド品取り扱い、チケット販売、ゲーム販売等あります。
Ⅱ 特定商取引に関する法律(特定商取引法、特商法)と古物営業法との関係について
1、特定商取引法とは
特定商取引法とは、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引等)を規律する法律です(1条)。
特定商取引法上の商品等の通信販売をする事業者には、必要的広告表示事項の表示(11条)、及び誇大広告等の禁止(12条)等の義務が課せられています。
これは、インターネットオークションを通じて販売を行っている場合であっても、営利の意思を持って反復継続して販売を行う場合は、法人・個人を問わず事業者に該当し、特定商取引法の規制対象となります。
2、特定商取引法における「販売業者」とは
特定商取引法において、インターネット取引における「販売業者」(11条以下)とは、販売を業として営む者の意味であり、「業として営む」とは、営利の意思を持って「反復継続」して取引を行うことをいい、営利の意思の有無は客観的に判断されます。
例えば、転売目的で商品の仕入れ等を行う場合は営利の意思があると判断されます。
「営利の意思」及び「反復継続」は、インターネットオークション以外の場における取引も含めて総合的に考慮して判断されます。
すなわち、例えば、インターネットオークション以外の場(インターネット、実店舗を問わない)における事業者が、その事業で取扱う商品をオークションに出品する場合は、その数量や金額等にかかわらず原則として販売業者に当たります。
したがって、例えば、個人事業者が実店舗の事業で取り扱う商品を、単発的にインターネットオークションを利用して出品する場合は、販売業者による取引に当たります。
また、インターネットオークション以外の場における取引の態様にかかわらず、インターネットオークションにおいて下記『3』のような出品をする場合は、通常、当該出品者は販売業者に該当すると考えられます。
インターネットオークションは、これまで消費者でしかなかった個人が容易に販売業者になることができるというシステムであるが、個人であっても販売業者に該当する場合には、特定商取引法の規制対象となることに注意が必要です。
3、「販売業者」とされる具体例
インターネットオークションでは、個人が不要品や趣味の収集物等を多数販売するという実態を考慮する必要があるが、例えば、以下の場合には、特別の事情がある場合を除き、営利の意思を持って反復継続して取引を行う者として販売業者に該当すると考えられます。
但し、これらを下回っていれば販売業者でないとは限りません。商品の種類によっても異なりますが、一般に、特に、メーカー、型番等が全く同一の新品の商品を複数出品している場合は、販売業者に該当する可能性が高いことに留意すべきです。
① 過去1ヶ月に 200点以上又は一時点において 100点以上の商品を新規出品している場合
但し、トレーディングカード、フィギュア、中古音楽CD、アイドル写真等、”趣味の収集物”を処分・交換する目的で出品する場合は、この限りではありません。
② 落札額の合計が過去1ヶ月に100万円以上である場合
但し、自動車、絵画、骨董品、ピアノ等の高額商品であって1点で100万円を超えるものについては、同時に出品している他の物品の種類や数等の出品態様等を併せて総合的に判断されます。
③ 落札額の合計が過去1年間に 1,000 万円以上である場合
(以上、参考文献『インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン』(消費者庁))
4、結論
ネットオークションにおいて、古物営業法では、盗品の販売の防止・「業」にあたらないという観点から、古物営業の許可が不要である場合があるといえます。
しかし、特定商取引法における「販売業者」と評価できる行為をネットオークション上で行うのであれば、古物営業においても「業」と評価される結果、古物営業の許可が必要になることには注意が必要です。
Ⅲ 受任報酬額
古物商許可申請 72,000円(税込 79,200円)
上記報酬額が、業務完了までに当事務所受け取る全ての額です。
見積りは行いません。契約段階で金額が変わることもありません、ご安心ください。
申請手数料、交通費、証明書手数料、通信費等、諸経費を含んだ金額です。別途ご請求することもありません。
申請当局より追加の資料を求められても追加料金は発生しません。
但し、書類作成・提出業務に直接関わらない費用=依頼者様側にご用意していただかなければいけない資料・証明書にかかる諸費用は含まれておりません。
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